米テック、続く大幅人員削減 デジタル需要が一服

2023-02-28

米グーグル、アップル、メタなどの巨大IT(情報技術)企業が苦境に立たされています。広告収入の落ち込みなどを受け、2022年から大幅に人員を削減しました。米起業家イーロン・マスク氏によるツイッターの買収劇をはじめ話題の尽きないテック業界では、生成人工知能(AI)の台頭などめざましい技術の進歩もみられます。


ツイッター買収劇で注目


マスク氏は22年4月、ツイッターを買収することで同社と合意しました。ところが直後からツイッター上の実態のない偽アカウントの多さに疑念を表し、7月上旬には買収を撤回すると表明しました。一方的な契約解除を不服とするツイッター側は7月中旬、合意済みの価格と条件で買収取引に応じることを求める訴訟を起こしました。結局マスク氏側が歩み寄って和解し、10月に買収を完了させて世界の注目を集めました。買収後すぐに大規模なリストラに着手したほか、有料サービスの拡充や外部ソフトとの連携、投稿文字数の変更などの機能変更を打ち出し、混乱も生じました。



米テックの大幅な人員削減


IT各社は新型コロナウイルスの流行に伴う需要急増で人員を拡大してきました。ところが、コロナ後の平時の経済活動に戻りつつある中でデジタル需要は一服し、余剰人員が生じました。景気減速で広告収入などが先細っていることも逆風になっています。米雇用情報サイトのLayoffs.fyiによると、22年にテック企業が公表した世界全体の解雇計画は約16万人に上り、23年に入ってからも既に16万人を超えるペースで人員整理が続いています。


生成AI、ゲームチェンジャーになるか


膨大なデータを学び、文章や画像を自動生成するAIが急速に進化しています。知りたい内容を入力するとAIが即座に答えを示す「生成AI」の利用が広がっています。プロ顔負けのイラストからプログラミングまで活用法は様々で、ネット利用のゲームチェンジャーになるとみられています。米マイクロソフトが投資する米オープンAIの「ChatGPT(チャットGPT)」が22年11月に公開され、ブームの火付け役となりました。